全方位営業の難しさ

久々の更新になってしまいました。
9月決算(11月申告)や泊まりがけの研修などもあったのですが、目処がたちようやく少し落ち着きました。
これからは年末調整対応でバタバタしそうです。

先月の話になりますが、人気お笑いコンビであるサンドウィッチマンのライブを観に行きました。なかなか取れないチケットで、いつも抽選で当たれば行っているライブ。今年もいろいろなライブ会場の抽選をして見事当たったのは福島県の会津若松市の會津風雅堂という会場。

自宅からは片道3時間かかる場所でしたが、旅行がてら楽しんできました。 (今回は魁男塾とのコラボだったようです。知っている人は同世代ですね笑)

年齢も性別もさまざまな観客で埋め尽くされていて、まさに“全方位に人気がある”という言葉がぴったりでした。人を傷つけない笑い、温かみのあるネタばかりで、休憩無しでの4時間近い公演、、一般的なライブとしてはかなり長い部類ですが、それを感じさせないほど濃密で楽しい時間でした。ファンに偏りがないというかどの年齢層からも支持があり、誰からも愛されるというのは、本当にすごいことです。

ふと自分を振りかえってみると

ライブの余韻が残る帰り道で車を運転しながら、「自分にはあんな“全方位からの支持”はできないな」とふと思いました。税務全般を全てカバーし、どんな業種にも対応し、誰とでも相性良く…というのはプロフェッショナルとして現実的ではないからです。

もちろん、調べながら対応できることは多くあります。しかし、関与先を増やして売上を伸ばしていくことを考えると、広げすぎるほど対応力は薄まり、業務の質も時間も担保しづらくなります。

そして、そもそも人間ですから、相性が合わない方もいますし、コミュニケーションがどうしても噛み合わない方もいる。独立している以上、勤務時代のように「嫌でも付き合わなければならない上司・同僚」と振る舞う必要はありません。むしろ、そこに無理をすると仕事のパフォーマンスも、心の状態も悪くなってしまう。

だからこそ最近は、考え方が変わってきました。

無理に合わせる必要はない

自分には自分の得意な領域があり、相性の良い方々とのご縁がある。
その延長線上で専門性を磨く方が、結果として価値の最大化につながる。

無理に全方位に広げようとすると、誰にも深く価値を届けられなくなってしまう。
それよりも、いま関わっている人たちを大切にする、自分の専門領域を磨き、より深く価値提供する、合わない部分は無理に合わせない、この方が、独立した税理士としての持続性は高いのかなと。

気持ちよく付き合える関係を築くためには、お互いの信頼関係が不可欠です。たとえば、こちらが依頼したこと(税務上の期限が過ぎていることへの対応など、無理なお願いではないもの)に対して真摯に対応してくれなかったり、レスポンスがうまくいかない方との関係を継続するのは難しいものです。

全方位に営業してしまうと、自分と合わない人もでてきます。そのことを考えてしまうとストレスを感じますし、そこまでして付き合う必要あるかと考えてしまうのです。もちろん顧問料をたくさんもらっていればある程度は我慢できますが、一般的な金額で無理に合わせるのは正直キツいかもしれません。

まとめ

精神的な持続性を考えると、サンドウィッチマンのように誰からも愛される存在を目指す必要はないのかもしれません。しかし、自分らしい形で信頼を積み重ねていくことはできます。

今関係のある方々とのご縁を大切にし、自分のスタイルを理解してくれる人との繋がりを作っていくことが、独立した税理士として最も大切なことだと考えています。

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